無形資産を包括的に担保とする検討を始めるそうです… 2020年11月6日 (金)

銀行による中小企業の事業支援を促す融資改革の一環として検討されるテーマとして公表されたものです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65813600U0A101C2EE9000/

金融庁は、ここ数年、担保や経営者保証に依存せず、事業会社の本質を評価することで融資判断をすることを勧めていましたが、ここにきて、企業の技術や顧客基盤など無形資産を一括で担保にできる制度を検討するとのことです。

以前のブログでも書きましたが、金融機関の融資業務には、お客様から預かっている預金を貸出の原資としていることから「安全性・収益性・成長性・流動性・公共性」という5大原則があり、契約通り融資した資金を返済してもらえるか取引企業の実態を如何にして評価できるかが肝になります。また、万が一、返済が滞る可能性があるのであれば、予防的に担保や保証という手段で資金回収を確実なものにしなければなりません。
そういう意味からすると、指摘のあるとおり、有形資産等を保有しない中小企業やスタートアップ企業にとっては、事業価値を評価し、担保として認めてくれる制度ができれば、新たな資金調達手段として利用できるでしょう。

しかし、従来、金融庁が推進しようとした、無担保無保証の融資判断、つまり、今後の事業活動を正しく評価し、融資条件(融資期間、返済方法、適用金利、保全方法)を決定するということは、真の意味で事業性評価による判断ができれば、「安全性=リスク」と「収益性=リターン」を制御することができ、且つ、取引企業の成長を後押しすると同時に、資金を継続して利用してもらう環境を提供することもできるはずです。
そういう観点から、様々な情報(特に事業から生まれるお金の動き)を効果的に収集・活用できる仕組みを作れれば、担保や保証に依存しない資金提供方法を考えることは可能と思うのですが、どうなんでしょうかね?

借入や社債等による資金調達手段に関しては、出資等資本性の資金調達手段とは異なり、期日には必ず返済、償還しなければなりませんから、期間中に事業が立ちいかなくなるリスクを補完する意味からも「保全措置」は講じなければならないのは理解できますが、「保全」ありきにはならないような運用も必要なのでしょう。
業況に問題なければ、無担保無保証で資金提供しても、業態が悪化した時点で保全措置を講ずる、これは、これまでの融資業務でも行っていた途上与信の考え方ですが、業態悪化の兆候を様々な情報を利活用することで判断する精度が高度化できれば、実現可能性は高いと思います。

金融検査マニュアルも廃止され、金融機関が独自に判断した融資モデルを確立することが可能となった訳ですから、これからは、色々な手法を考え、それを補う法制度を検討するという流れになるのでしょうね。

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