残価設定型住宅ローン関連の記事です…

2025年12月12日(金)

国土交通省は残価設定型と呼ぶ新たな住宅ローンの普及を後押しすべく、住宅金融支援機構によるリスク補填を考慮した取り扱いを検討するとの記事です。

「残クレ」でマイホーム、国が銀行向け保険 新型住宅ローン普及促す - 日本経済新聞

ここ数年、主要都市部のマンション価格が高騰し、住宅一次取得を考える年齢層=働き盛りの世代の取得は難しくなっているという事も影響しているのか、住宅取得の際に「住宅の資産価値」を活用したファイナンススキームを実現できるようにする意味合いもあるかと思われる。

個人的には、前職=金融財政総合研究所在職当時、国土交通省「中古住宅活性化ラウンドテーブル」(2013~2014)の委員を務めていた際に、残価設定型住宅ローンのスキームを提唱した経緯がある。
以後、民間において新たなスキームを実現できないか検討を進めたが実現に至らなかった。最大の課題は、ファイナンスした後、残価設定した価格を下回った場合のリスク負担をどのようにするか、という点であった。
当時も、当該予想部分に保険を適用すべく、民間の損害保険会社と協議を進めたが、損失負担を客観的に評価するロジック=保険料の算出手法の構築が難しく、実現できなかった経緯にある。

今回の記事では、具体的な商品設計まで示されている訳ではないので、どのような基準でリスクを補填する保険スキームを適用するのかは明確ではないが、商品の基本的考え方は、次の内容になるはずである。

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資産価値活用型ファイナンスは、ある意味、リバースモゲージの扱いに類似しているが、残価選定型ファイナンスは、現在検討されようとしているモデルに近いものと思われ、ポイントは、ノンリコース型(期日時点で残債があっても返済義務は発生しない)にすることが重要になるはずであるが、その意味で、物件による代物弁済というスキームにしている。
現時点の金融機関経営を考えれば、想定されるリスク負担を自前で負担できるスキームを考えることは無いであろうし、政府機関?でもある住宅金融支援機構がリスク負担する…となれば、取扱う金融機関もあるだろうが、商品性はどうなるか…であろう。

個人的には、新規に住宅取得をする際に適用するモデルを体系化するよりも、何らかの要因で収入が減少、住宅ローンの返済に困窮する方々を救済する際のモデルとして、「住宅資産価値活用型モデル」を適用する方が現実的ではないかと考えている。
スキームとしは以下URLの内容になるが、金融機関として、返済が困窮した債務者は、住宅を手放すこと無しに住宅に住み続け、且つ、再生を図ることを支援することである。但し、ある意味、主要都市部で住宅資産価値の算定が可能なケースの場合への適用がメインとなる可能性は高いが、新規住宅取得者向けに、万が一の安全弁として、当該スキームをオプションとして適用できるサービスを考える事もできるのではないかと思う。
住宅ローン返済困窮者支援(HFMC)ーPDF

 

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