利益方針=事業価値計画のまとめ方

 会社経営における最終目的は、お客様に喜んでいただくことで、働く職員が幸せになると同時に、社会に貢献できることですが、その源泉となる「利益」を計上することができるか否か、会社が持っている経営資源をフル活用して事業活動を行い、最終的に利益を計上できる経営を実現することがポイントとなります。

 経営者として「利益」をテーマとして捉える際に考えるべきポイントは、現在の経営資源(人・モノ)を維持し、会社として成長するために必要な「最終利益」は幾ら必要なのか、現在の資源で営業を続けるために必要な費用を最低限賄うために必要な「粗利益」は幾ら必要なのか、その為にはどれだけの売上を計上し、どの位の原価を負担すればよいのか、損益計算書の計算過程から利益計画を立案することです。 つまり、利益が出る「儲かる」会社にするために検討すべき「販売実績の検証(=販売力の強化)」「仕入実績の検証(=商品調達力の見極め)」「営業経費の検証=(効率化の実現)」の3要素を利益計算の過程から考え、最終的な「税引前当期利益」をプラスにする計画を立てることです。

◎損益分岐点分析から考える
ベースとなるのは、以前、利益実態の捉え方でも説明しましたが、損益分岐点分析により、利益も損失も発生しない、利益と損失の均衡した売上高の金額を前提に考えることが原点です。
  • 変動費率=売上高に対する変動費の割合
  • 限界利益=売上高から変動費を控除した後の利益
  • 限界利益率=1−変動比率
  • 損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
  • 損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷売上高
  • 損益安全率=1−損益分岐点比率

 基本的に、損益安全率(=1−損益分岐点比率)が10〜20%の範囲に収まる(=黒字体質である優良企業)ようにするための方法論を常に考えておくことがポイントですが、

  1)現状の経営実態(粗利益率、経費率)で黒字体質となるのに必要な売上高は?
  2)現状売上を維持できた場合に黒字体質となるために必要な仕入高=変動費は?
  3)現状の利益率で黒字体質化するために必要な経費=固定費は?


 以上、
3つの組合せから「必要な売上」を考えつつ、「変動費の割合」と「固定費の割合」を調整し、黒字体質の会社=損益安全率20%を確保できる会社となるには利益をどれだけ計上しなければいけないのか計画を立案することが重要なのです。


◎商品サービス・お客様別に利益計画を考える
 会社全体の方向性を見極めるには、損益分岐点分析に基づく検討が重要となりますが、実際に営業現場の方々が事業を行う上で、「何をしなければいけないのか?」を具体的に考える為には、売上と仕入原価に関する情報として、「どのような商品やサービス」を「誰に」売ったのか、「誰から何を」仕入れたのかを適切に捉えることが必要となります。
 つまり、売上計画・仕入計画・経費計画を立案するベースとなる「最終利益」をどのような活動から導き出されるのか=「販売した結果どれだけの利益が生まれている」のか詳細を把握しなければなりません。

 商品サービス別、顧客やグループ別の売上高と利益の構成比と利益率から、会社への利益貢献度が一番高い商品サービス、顧客やグループを捉える見方については既に説明していますが、この関係を前提に、利益率の改善可能性を考慮した上で、売上げ計画を考えることで「今期の最終利益」の計画として活用することができます。 また、売上の源泉となる「仕入れた原材料やサービス」も同じ方法で捉えなければなりません。仕入額と利益率を加味した売価額の構成比および原価率から費用負担度、影響度の高い商品サービス、仕入先やグループの実態から考えることが重要となるのです。

 

◎利益率の基本的な考え方
 以上のように、商品やサービス、顧客を主体とした情報を活用しながら、最終的な利益計画を実現できるように具体的な営業活動方針を考えることが必要となります。一方、「利益率」を考える際には、「適正な利益=マージン」をどのような観点から捉えるべきか考えておく必要があります。業種によって内容は異なりますが、小売業を前提に纏めると以下のとおりとなります。提供する商品やサービスの価格を設定する際の最も基本となる考え方です。
 提供する商品やサービスの基本となる原価に対して、適正なマージン=営業活動費と様々な要因で発生する損失を考慮しながら、会社として成長するために必要な余力部分を加味し、競合する会社の価格も考慮しながら決定することです。ある意味、必要とする利益については、原価を基に決定する方が簡潔ですが、利用していただくお客様のことを重点的に考えるならば、様々な要素を考慮しながら価格を決定することが重要となるのです。想定されるロスを最小限に抑える方法を考えることで提供する価格は抑えることができます。結果として競合する他社よりは優位な価格設定を行うことが可能となり、売上が増加するという好循環を生むこともできるのです。


Copyright 2019 HFMConsulting.Inc ,All Rights Reserved