コロナ倒産の金融機関経営の影響… 2024年10月11日(金)

コロナ関連の倒産が増加傾向にあり、金融機関、特に信用金庫や信用組合への影響を懸念する内容の記事です。

無視できない「コロナ破産」 石破政権のアキレス腱か 金融取材メモ - 日本経済新聞 (nikkei.com)

帝国データバンクの4月から9月までの2024年度上期の倒産件数速報では、4990件と2013年以来の多さで、今年度通期では1万件を超える可能性があると予想されています。
コロナ禍の際の支援策として実施された「ゼロゼロ融資(http://www.hfmc-honda.com/index-BLOG_20220110.html)」の返済が本格化、本年4月には最後のピークを迎えましたが、基本的には「条件変更」での対応がメインでした。しかし、円安に加え金利引き上げも想定される中、経営改善は厳しい状況が続いているものと予想されます。
本年3月に、政府は「再生支援に関する総合的対策」を公表(https://www.hfmc-honda.com/index-BLOG_20240311.html)しましたが、その効果はどうなか、見極めも必要になりそうです。

特に、リーマンショック後に施行された「金融円滑化法」による支援に続く、コロナ禍による支援の実施により、経営を延命されてきた中小・小規模企業に関して、抜本的な対策を講じなければいけない状況なのですが、これまで同様に「融資条件を変更する」という、ある意味で先延ばし対応で済ませており、金融機関側の本気度が低いように感じます。

また、融資先を「経営状態と融資の適用条件」から判定する債務者区分の考え方のベースとなっていた「金融検査マニュアル」の運用が、2019年に廃止され、不良化する可能性の有る融資案件について、予防的措置として「貸倒引当金」を計上する運用に関しては、各金融機関が独自に判断することになっているのですが、中小金融機関の大半は従前の運用を継続しているのが実情です。

この様な状況下、石破氏が総理大臣に就任と同時に、衆議院を解散し総選挙に突入していますが、新政府としての重点目標として「地方創生」を掲げていますので、記事にもあるとおり、地域金融機関に対し「金融仲介機能の一層の発揮と健全性の確保を後押しする」ことを指示したようです。
仲介機能を担うべき金融機関の経営が安定していることが前提であることを考えれば、金融機関の経営者が本気度を示さなければならない状況なのですが、今後の政権運営、更には、日本銀行による金融政策の動向なども加味しつつ、どのように取り組むべきなのか、明確な指針を示すことができるか否かがポイントになりそうです。

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