政府主導のIT化は誰が請け負っているのか…

2020年07月13日(月)

使用できるウェブ閲覧ソフトの制約が問題化しているという記事です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61372400Q0A710C2EE8000/

記事にある通り、確かに、行政機関のネットでの手続きは「IE(インターネットエクスプローラー)」しか使用できないものが多いように思うのと同時に、悪い言い方をすれば、1世代前の設計になっていると感じるのは自分だけでしょうか…
使い勝手という観点からも然りですが、設計から開発、運用はどこの企業が請け負っているのか不思議でなりません。

世の中IEの他にもWEB閲覧ソフトは多数あり、マイクロソフト社も「IE」からり機能強化した「Edge」へ移行することを推奨しています。
国内での閲覧ソフトのシェアは、「Chrom83=6割、IE11=1割、Edge18=1割、Safari13=1割、Firefox77=0.5割」となっているそうですが、そもそも、最もシェアーの高いGoogle社のChromを使用できないというのは何故なのでしょうかね。

単純に考えても、サイトを利用するであろうエンドユーザーが使用するツールに準拠しなければシステムとしては不完全であり、日々改良するという前提で年間保守料を負担しているはずなのに、何故、日々改善対応できていないのか、委託する行政側で管理できる人材が居ないということなのでしょうかね。
恐らく、請負会社に丸投げで、定期的な報告を受けているだけというのが実態なのではないかと、昨今の行政側の対応を見ると勘ぐってしまいます。

政府は、22年を目標に改善すると言っていますが、今回問題が露呈した「マイナンバーカードシステム」も然りですが、何故、迅速に対処できないのでしょうか。
行政が提供する各種機能をサービスとして捉え一般事業会社として例えるならば、既に事業体としては時代遅れで取り残され、顧客を失う重大な欠陥を抱えていても何ら対処せず破綻へ向かってしまう状況にあるということを理解できていないということでしょう。

本来、委託する側(行政)で「何をしたいのか」業務要件と機能要件を明確にした上でシステム開発を依頼しなければならないはずですが、恐らく、「何をしたいのか」という点も含め、大手コンサル会社や大手SIベンダーに丸投げしているということではないでしょか。
マイナンバーカードのシステムを例えにするなら、どこの企業が受託して開発したのか、年間の保守メンテナンスは何をしてきたのか、何故問題が発生したのか、要因はどこにあったのか、更に、どれくらいのコストをかけたのか等々検証を行う必要があるはずです。

政府は経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の原案にデジタル化に向けた司令塔を内閣府に設置するそうですが、行政が行うIT投資は全て国民の税金により負担されているという前提で「投資対効果」を本当に見極めることができるのか、これまでの経緯を考える限り、あまり期待はできないでしょうね…

 

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