デジタル決済に関連する記事ですが…

2021年7月27日(火)

Googleがスマートフォンアプリで決済や送金を手軽に利用できるサービス提供するpring(プリン、東京・港)を買収すると、7月13日に発表(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00086/00176/)されましたが、当該内容に関する記事です。

デジタル決済、勝者なき消耗戦 グーグル参入の衝撃: 日本経済新聞 (nikkei.com)

pringのサービスとして注目されているのは、商品の代金決済サービスというよりも「送金に関するサービス」のようです。
スマフォアプリとして「個人間の送金」や企業が経費精算などで従業員への支払いなどに利用する「業務用支払い」という資金移動に重点をおくシンプルなサービスと言われています。
資金移動業者による同一サービス間のアカウント同士での資金移動では手数料も発生しない点を考えれれば、今後予定されている「給与デジタル払い」が解禁され、その際に活用できればサービスとしては優位性がありそうです。

Googleの戦略としては、Google Payの「ウォレット(Wallet)」に当該機能を取り込むことで送金や決済、その他金融サービスに連携させるのではないかと言われています。例えば、送金などで受け取ったお金をウォレットにプールし、再び他者に送金したり、そのまま買い物に使用することもできるでしょう。給与をウォレットにプール、一定の余剰金額部分は運用へ回すサービスができれば、銀行よりも質の高いサービスになることも考えられそうです。
また、pringの場合は銀行口座と連携せずともセブン銀行ATM経由でウォレットへのチャージや現金の引き出しが可能なため、銀行口座やクレジットカードとの連携を意識せず、現金を主体にこの仕組みを手軽に利用できるサービスも考えられそうです。

事業化するには、テロ・マネロン対応も含め事業体としての管理体制面の強化等ハードルは高そういですが、今後の金融サービスを考える上では、ポイントになる可能性は高いと思われます。
記事にあるとおり、デジタル決済にフォーカスすれば、消耗戦になるのは目に見えていますが、ウォレットを主体に「決済・送金・運用・保険」の機能を揃えた総合金融サービスとして利用できるようになれば、新たなマネタイズ方式を確立することもできるのではないでしょうか。
デジタル決済ではポイント還元も注目されますが、ポイントを投資運用に提供するサービスも開発されていますし、少額の傷害保険にも利用できるようにする等、従来までの銀行サービスとは一線を画すビジネスとして発展する可能性を秘めているのではないでしょうか。

 

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